慢性腰痛は「いつものこと」ではない
「腰痛はありますか?」
そう尋ねると、
「ありますけど、いつものことですから」
「もう何年も付き合っています」
「年齢的に仕方ないですよ」
そんな返事が返ってくることがあります。
長く続く腰痛は、いつの間にか生活の一部になってしまいます。
朝起きる時に腰が痛い。
長く座っているとつらい。
立ち上がる時に腰をかばう。
それが当たり前になってしまうのです。
しかし、本来それは当たり前ではありません。
人は痛みに慣れてしまう
人間には「慣れ」の能力があります。
環境にも慣れますし、仕事にも慣れます。
そして、実は痛みにも慣れてしまいます。
もちろん、慣れたからといって身体が回復したわけではありません。
痛みがある状態を脳や身体が「普通」と認識してしまっただけです。
そのため、
「今日は腰が痛いな」
ではなく、
「腰が痛いのが普通」
になってしまうことがあります。
慢性腰痛は身体だけの問題ではない
慢性的な痛みは、腰だけの問題ではありません。
睡眠の質を下げ、
疲労回復を妨げ、
活動量を減らし、
気力や意欲にも影響を与えます。
痛みがあると、人は無意識に動かなくなります。
動かなくなると筋肉や関節はさらに硬くなり、
呼吸も浅くなり、
血流も低下します。
その結果、ますます身体が動きづらくなり、
さらに痛みが強くなる。
そんな悪循環が生まれてしまいます。
腰痛を育てているのは日常かもしれない
私はこれまで多くの腰痛の方を見てきました。
その中で感じるのは、
「腰痛そのもの」
よりも、
「腰痛を育て続けている日常」
の存在です。
立ち方。
座り方。
歩き方。
呼吸の仕方。
身体の使い方。
あるいは、
頑張り過ぎる性格。
休むことへの罪悪感。
常に力が抜けない生活。
こうしたものが積み重なり、
身体の緊張を慢性化させていることが少なくありません。
身体との付き合い方を学ぶ
腰痛をなくそうと必死になるよりも、
まずは身体の声に耳を傾けてみること。
どんな時に痛むのか。
どんな時に楽になるのか。
呼吸は止まっていないか。
肩やお腹に余計な力が入っていないか。
そんな小さな観察から始めてみてください。
身体は敵ではありません。
身体はいつも、
「少し無理をしているよ」
「その動きは負担が大きいよ」
とサインを送ってくれています。
慢性腰痛だから仕方ない。
そう諦める前に、
身体との付き合い方を見直してみませんか。
腰痛を治そうとするのではなく、
腰痛を育てている習慣に気づくこと。
そこから、本当の意味での回復が始まるのかもしれません。

